拝啓
チュン太郎、元気にしていますか?
母ちゃんの知らない南の国はどうでしたか?
今頃、日本に帰ってきて、お嫁さんと子供たちと元気に飛び回っていることと思います。たまには母ちゃんの事を思い出すこともありますか?
母ちゃんの事は思い出さなくても、大好きだったミルワームの事は思い出すこともあるでしょうね。
散歩をしていると、ツバメがたくさん飛んでいます。
去年の今頃でしたね。
チュン太郎がうちにやってきたのは…
↑保護子ツバメ、チュン太郎。高所の巣から落ちて戻ることが出来なかった…
野鳥を飼うことはできません!!!
出来る限り手を出さずに、親が戻るのを期待したものの、雨の中、夜になってもどうにもならず、一旦、旦那氏がうちに保護してきました。
とにかく乾かして、あっためました。ぽっそぽそでした。
ミルワームを買ってきて与えると、口を開けて食べたので、しばらく様子を見ることにしました。食べたことで、少し元気を取り戻し、もぞもぞ動くこともできるように。
朝は4時起き。
ミルワームだけじゃなく、庭でカゲロウを捕まえて与える。色んな飛ぶ虫を網で捕まえました。
だんだんと目もぱっちりして、元気な子ツバメ姿に。
そして、羽ばたく練習を始める。
何度か巣に戻そうとしたものの、失敗。
1週間ほどたつと、立派に羽もつやつや生えそろい、羽ばたく練習も。
母ちゃんは仕事があるので、朝旦那氏の実家に連れていく。その間は、旦那氏じいちゃんにご飯係をお願いする。夕方には幼稚園のように実家にお迎えに行く。そして寝るまでご飯を与える。朝は日の出とともに虫取りしてご飯を与える。疲れたらミルワーム。
旦那の実家のまわりが田んぼで、沢山ツバメが集まっていた。ちっちゃい子も大人もたくさんいて、飛び立つ前の数日は、日中外が見える部屋で過ごしたチュン太郎。
保護して、12日目の早朝。
部屋の窓を開けておく。窓辺に座ったまま、なかなか飛び立たないチュン太郎。
しばらくの間、母ちゃん(わたくしのことね)の手首に乗って、チュンチュン鳴いていたけど、意を決して飛び立ちましたね。
あの時の事は、死ぬまで忘れません。
空高く舞い上がって、家の周りを旋回、沢山いたツバメがチュン太郎のそばに集まって、一緒に飛んでくれました! 涙が出た!!! 生き物って、優しい!!!!
おんなじくらいの飛ぶのがヘッタクソな子ツバメ達が、数羽集まって飛び回っては、電線に並んで止まる。その中に、チュン太郎も。
飛び立ってから、チュン太郎は戻ってきませんでした。
寂しいけど、これが最善だったと母ちゃんは思っています。短い間だったけど、楽しい時間をありがとう。チュン太郎。
いつまでも、元気で過ごしてね。
ああ、そうだ。
母ちゃんのスマホの画面は、チュン太郎の写真のままです。
目覚ましの時には、いつも君の顔にいやされます。
心の中では、パタリロって呼んでます。
今年もツバメの季節がやってきました。
うちに巣を作ってくれて、いいんだよ。待ってるからね~
さて。
著作権相談員養成研修終了しました。
……首と肩がごりごりのバキバキです。さて、次~
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